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多趣味。ブラコン。

20160716_玉田企画「あの日々の話」

玉田企画「あの日々の話」を小竹向原のアトリエ春風舎で見た。

普段「お笑い」を見ることが多いので、客席にいて気になってしまうのが、他の観客の人がどのくらい笑うか、どこで笑うか、ということ。
(これが「わかる」というのが私が劇場に足を運ぶ大きな理由の一つだ。私は私の他人との差異をとても知りたいので…まあ、これは別の話。)

玉田企画の舞台は、玉田さんご本人がいうように(http://spice.eplus.jp/articles/65513)とても笑いを重視して作られてるのが見ていてよくわかるのだけれど(つっても私は今回と前回の2本しか見ていないけど)、客席におこる笑いの質感がお笑いとはあきらかに違った。

お笑いでは、グルーヴに乗ったとき(=ウケる)「ドッカン!」と言う表現がある。観客がみんな一緒になって、提示されたある1か所で笑う(かつそれが連続していく)のが評価として最上なんだと思う。声を出してその場にいるみんなで笑うのは楽しいし、それを求めて私も遊びに行く。
対して「あの日々の話」の客席では、上演中笑いはそわそわさわさわ起こっていた。そこかしこで常に誰かが笑っている。だけどいわゆる「クスクス笑い」とは異なる感じ。(もちろん、一気にウケる場面もあるよ)

前作・「怪童がゆく」では、ある程度観客に笑う場所が提示されていたように思う。一方で、大学のサークル活動でのヒトコマを切り取る本作は、言うなれば圧倒的なあるあるなのだけれど(…あいつら具体的には何サークルなんだ?最後までわからなかった)、心の傷を抉られたり息を飲んだりホッとしたりそうそうと頷く箇所が人によって違うのを、客席に常にあるそわそわさわさわした笑い声からずっと感じ取っていた。舞台上で起こっていることと一緒に自分以外の他の観客の人たちのこれまでの経験も一気に浴びたような感覚に襲われた。
同時に自分の大学生だったころの(あんまり思い出したくない)思い出とか引っ張り出してくるし、きちんと「あいつ嫌い!」って認識させてくるし、なんでしっかり謝らないの!とイライラもしたし、かといって観客である私は全部をお見通しなわけで、主観と客観の同時過剰摂取で頭がクラクラになった。終わったときグッタリしてしまった。

…なんかすごい体験だった。
というわけで、お尻を痛くしながら生で舞台を見るのはおもしろいな、という気持ちを強くした次第です。